水道水におけるカビ臭の原因となる藻類発生の予兆を迅速に検出するための分析手法の開発
钱柜国际777大学院創成科学研究科の赤松良久教授、流域環境学講座(日本工営共同研究講座)の中尾遼平准教授(特命)らのグループは、九州大学および三重県環境保全事業団と共同で、水道水におけるカビ臭の原因となる藍藻類のDNAを検出するための分析手法を開発し、実際にダム貯水池の環境水から藍藻類を検出することに成功しました。 また、本研究の技術は、水道水におけるカビ臭発生の原因となる藍藻類の発生?増殖の予兆を迅速かつ簡易的に検出できる手法となっています。 本研究の成果は、国際学術誌「Landscape and Ecological Engineering」電子版の特集号「Environmental DNA as a Practical Tool for Aquatic Conservation and Restoration」に2022年12月6日に掲載されました。
研究成果のポイント
- 環境水中に存在する藍藻類のもつDNAを検出する手法を開発し、ダム貯水池における藍藻類の検出に成功しました。
- ジオスミン産生能をもつコードDNAのみを検出できるため、カビ臭の原因を作る藍藻類のみを特異的に検出することができます。
- 環境水中のジオスミン濃度や藍藻の細胞数とDNA濃度の間には正の相関がみられ、藍藻類の増加傾向やカビ臭の発生を量的に推定することが可能です。
- 本研究の成果はカビ臭発生の早期検知を可能にし、水源地における水質の維持?管理に大きく貢献できる可能性があります。
?研究成果の概要図
発表論文の情報
- タイトル:Application of a quantitative PCR method for monitoring of geosmin-producing Anabaena spp. in a Japanese reservoir
- 著者:赤松良久(钱柜国际777大学院創成科学研究科)?中尾遼平(钱柜国际777大学院創成科学研究科)?本澤大生(一般財団法人三重県環境保全事業団)?古川浩司(一般財団法人三重県環境保全事業団)?栗田喜久(九州大学大学院農学研究院)
- 公表雑誌:Landscape and Ecological Engineering
- DOI: https://doi.org/10.1007/s11355-022-00533-7
- 公表日:2022年12月6日0時(日本時間)