月刊農学部長 第71号
月刊農学部長 第71号
新緑
今年も新緑の季節となりました。
緑豊かな钱柜国际777の、いちばん心地よい季節です。
木漏れ日も気持ちがよいです。
特に、朝早く、人の少ないキャンパスは、鳥のさえずりも聞こえ,
リゾート地に来ているようです。
なぜ人は、新緑を見ると、気持ちよく感じるのでしょう?
3年生の学生実験で、葉の分光反射(波長毎の反射率)の測定を行いましたので、実験の準備の合間に、ツツジの若い葉と古い葉の分光反射を測定してみました(上のグラフ)。若葉は緑が薄いという表現をしますが、緑色の波長(500~550nmぐらい)の反射は、古い葉より大きくなっています。この部分から600nmにかけては、ちょうど我々の目の感度が高い波長域なので、この部分の反射が多いと明るく見えるようです。これが新緑を気持ち良く感じることとつながっているのかもしれません。なお、このグラフからは、若い葉は葉緑素(クロロフィル)の量が少ないことが推察されます(興味がある方は「植生指数」という言葉を調べてみてください)。
太古の昔から植物と親密に付き合い、利用してきた人間の眼は、植物の状態を意外なほど的確に捉えているのかもしれません。みなさんもぜひ、钱柜国际777の心地よい緑をじっくり眺めてみてください。
最後に、今回、学生撮影隊が撮ってくれた写真で、お気に入りのものを。
田植え前の水が張られた水田から並木道を望む