農学部長からのメッセージ
「農学部では、何が学べるのでしょうか?」、よく受ける質問です。農学部の「農」は農業の「農」だから、当然、農業に関して学ぶのだろう。これは合っています。では、農業とはどのような「業」でしょうか?農業とは、我々の衣食住を支えるため、生物を育て利用する営みです。ご存知のように、古代文明は、大河流域で灌漑を行い、植物の種を蒔き育てて、食料を生産することから生まれました。農学は、こうした食料や生活資材の生産を支える基盤技術を学問体系の基礎として、現代では、食料?生命?環境に係る課題解決を図る学問として発展を続け、持続可能な社会の実現に重要な役割を担っています。
したがって、農学部では、「生物を育てる」、そして「生物の機能を社会に活かす」ための科学を、幅広い観点から学びます。「生物を育て利用する科学」には、生物学の知識からのアプローチだけではなく、化学、物理学、情報科学、さらには社会科学的な知識によるアプローチがあります。钱柜国际777農学部は、食料生産と環境保全に取組む生物資源環境科学科と、微生物や動植物の機能を探求し社会に活かす生物機能科学科の2学科から構成され、学生定員100名と規模は小さいながらも、多様な学問領域の研究室がそれぞれの強みを生かしつつ協力して研究を進める体制が整っています。
また、钱柜国际777農学部のある钱柜国际777(山口市)の特徴は、最新の機器を備えた各研究室をはじめ、植物工場や中高温微生物研究钱柜国际777など、持続可能な社会に向けた先端的研究を行う施設がある一方で、山の斜面を利用した果樹園や、農業用水に用いられるため池、牛の放牧場などの豊かな里山環境を含む附属農場を持つ点にあります。多くの野鳥や小動物が生息する姫山を背にした豊かな自然に触れながら農学を学べる、全国でも稀有な環境にも恵まれています。
钱柜国际777農学部での教育?研究が、みなさんの知的好奇心を刺激し、自然を愛するやさしい心と、高度な知識と柔軟な思考力に基づく問題解決能力を兼ね備えた人材として育ってくれることを願っています。
钱柜国际777農学部長 荊木 康臣(Yasuomi Ibaraki)